お月見の月といえば、十五夜ですね。
月は満ち欠けして、その姿を変えます。
満ち欠けしているその姿にも名前も付いているのをご存知でしょうか?
日毎に変わっていく月の呼び名、季節や風情からの月の名をまとめてみました。
呼び名を知れば、毎日見る月も、またちがって見えるかもしれませんね。
月の満ち欠けからの名前
1日目
新月(しんげつ) もしくは朔(さく)
朔のある日を「朔日(さくじつ)」といい、訓読みすると「ついたち」です。
3日目
三日月(みかづき) 眉月(まゆづき、びげつ)、蛾眉(がび)、繊月(せんげつ)など
7日目
上弦の月 半月(はんげつ)、もしくは弦月(げんげつ)
弦月と呼ばれる所以は、形が弓を張った状態に似ているから。
また、それにちなんで弓張月(ゆみはりづき)とも呼ばれます。
13日目
十三夜(じゅうさんや)
お月見というと十五夜がもっとも有名ですが、
日本では古来もうひとつ、旧暦九月十三日の十三夜もまた美しい月であるとされていました。
昔は十五夜に月見をしたら、必ず十三夜にも月見をするものともされていました。
14日目
小望月(こもちづき) 満月(望月)の前夜の月。
「近い」という意味を持つ「幾」の時を用いて幾望(きぼう)とも。
5日目
十五夜、満月(まんげつ) 望月(もちづき)
サトイモなどを供えることが多いため「芋名月(いもなづき)」とも呼ばれています。
「望月」で思い出されるのが
藤原道長の「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば 」ですね。
(「この世は自分のためにあるようなものだ、満月(=望月)の欠けたことが無いように」)
16日目
十六夜(いざよい)
十五夜の日は、日没とともに東の空に昇り、明け方に西の空に沈み、
これ以降は月の出がおよそ50分ずつ遅くなっていきます。
そのため、満月から1日たった十六夜の月は、まるで出てくるのを
いざよっている(ためらっている)ように思えたことから、
この呼び名が付けられたと言われています。
17日目
立待月(たちまちづき)
「いまかいまかと立って待つうちに月が出る」と言われたことから名付けられました。
18日目
居待月(いまちづき)
立待月よりもさらに遅いこの月は、
「立って待つには長すぎる」と言われ、「座って待つ月」と名付けられました。
19日目
寝待月(ねまちづき)
ついに、出てくるのが遅すぎて「寝て待つ月」と呼ばれてしまいました。
ちなみに、この月の出る時刻は午後9時くらい。
20日目
更待月(ふけまちづき)
夜更けに出るから更待月。
この月が出てくるのは午後10時頃。
夜更けというと、もっと遅い時間を思い浮かべますが
明かりの少なかった昔は、もう夜更けと呼ぶ時間だったんですね。
今は、この時間だと、夜はこれから・・の人が多いのでしょうね。
23日目
下弦の月
23日目の半月は下弦の月。
26日目
有明の月
夜明けの空(有明の空)に昇ることから「有明の月(ありあけのつき)」と呼ばれました。
また、夜明けの空で消えそうになっているこの月を「残月(ざんげつ)」とも呼ぶことがあるそうです。
「有明の月」は 十六夜以降の月の総称でもあります。
30日目
三十日月(みそかづき)
月の終わりを「みそか」と呼ぶ由来になりました。
またの名を、月が籠もることから、晦日(つごもり)とも言います。
「晦日(つごもり)」を「みそか」と読んだことから、
年の終わりの日を「大晦日(おおみそか)」と呼ぶようになったそうです。
季節や風情を表す名前
季節を表す名前
春月(しゅんげつ)、夏月(かげつ)、秋月(しゅうげつ)、冬月(とうげつ)
春夏秋冬それぞれの月。
朧月(おぼろづき) かすかに霞んだ月。春の季語。
寒月(かんげつ) 冷たく冴えてみえる月。冬の季語。
天候を表す名前
雨月(うげつ) 雨の夜の月。十五夜が雨で見えないときもいう。
無月(むげつ) 十五夜が曇りで見えないとき。
薄月(うすづき) 薄雲のかかった月。
見え方による名前
孤月(こげつ) 寂しげにみえる月。
淡月(たんげつ) 光の淡い月。
青月(せいげつ) 青く輝く月。
明月(めいげつ)、朗月(ろうげつ)、皓月(こうげつ)、素月(そげつ)
清く澄んだ月。
時間による名前
夕月(ゆうづき) 夕方にみえる月。
黄昏月(たそがれづき)黄昏時の月。
残月(ざんげつ)、有明の月、朝行く月
夜明けにまだ残っている月。
まとめ
十五夜(中秋の名月)のお月見は特別ですが、
ほかのお月さまも風情があっていいものです。
そんな時に、この名前を思い出してすごしてみてはいかがでしょうか。