子供の頃、お盆に母方のおばあちゃんちへ行くと、
仏壇にきゅうりとなすに箸をさしたものが置いてあって、
なんなんだろう?と疑問に思ってました。
その頃、父方の両親と同居してて、自宅にはそれがなかったので
ますます不思議に思ってました。(仏壇もお墓もある家でしたが)
私のように、「あれってなんなんだろう?」
「どうして置いてある家とない家があるんだろう?」と不思議に思っている人もいるでしょうね。
そのわけをお話していきますね。
お盆に見かけるきゅうりやなすの飾りはなに?
なすやきゅうりに割りばしが刺さったお供えは、精霊馬(しょうりょううま)です。
お盆は、ご先祖様があの世から戻ってきて家族や親族とすごす期間です。
限られた期間ですから、できるだけご先祖様には長くこの世にいてほしいと願いますよね。
ご先祖様をこの世に迎える際には早く戻ってきてもらうために、
足の速い馬に見立ててきゅうりを使って馬をつくり、
あの世にお見送りする際にはゆっくり帰ってもらうため、
足の遅い牛に見立てたなすで牛を作って飾るようになりました。
なぜきゅうりとなすなのかは、どちらも夏の野菜で、
どこでも採れて食べられている旬の野菜であることが
精霊馬にしてお供えされている理由のようです。
沖縄ではさとうきびをお盆のお供え物としてるところもあり、
これは、ご先祖様が帰るときに使う「杖」と見立てているようです。
精霊馬がない家があるのはなぜ?
浄土真宗では、地域によっての違いがありますが、基本的にお盆独特の飾りはありません。
お供えなどの準備はしますが、盆棚(精霊棚)、ナスの牛やキュウリの馬を飾ることもありません。
そうなんです、父方の家は、浄土真宗なので精霊馬がなかったのです。
浄土真宗では、ご先祖は浄土で仏様となっているので、
霊となってあっちの世界やこっちの世界へということはなく、
お盆の時期だからといって特別に戻ってくることはない、ということです。
浄土真宗ではお盆のことを「歓喜会(かんぎえ)」と言い、
先祖を追善供養するというよりも先祖に感謝する日と位置づけられています。
まとめ
お盆に見かけるきゅうりやなすの飾り精霊馬のことわかっていただけましたでしょうか。
子供の頃は、そんなことも知らなかったですし、
うちもきゅうりやナスに割りばしさして作ればいいのにな〜なんて思ってました。
主人の実家も浄土真宗なので、大人になった今でも精霊馬には縁がないままです。
最後までお読み頂きありがとうございました。